離婚条件を決めたら、次にやってくるのが具体的な話し合いです。
そこで、モノを言うのが交渉術です。自信がないから専門家に依頼しようと思っても、離婚調停の場合、決まりのパターンがありすぎて、判例として結果がみえてしまうだけに、弁護士の力によって大きく条件が変わるとは限らないのです。
傾向として、あまり長い時間をかけて交渉をしたがらない弁護士も多く、とにかく早めに切り上げようとするように見受けられます。
そういう意味では、DVなどで会うこと自体が危険だというような相手でない限り、自分で離婚交渉できたらいいと言えます。その場合のコツは、相手は敵ではないという認識です。
もちろん、離婚したい相手ですから、どうしても敵対してしまうのは人情でしょう。でも、そこはグッと我慢。自分にとって、いい条件を叶えるためには相手の敵になってしまってはいけません。
離婚に関しても、仲間、同士という感覚はあり、人間として否定するつもりなどないことを前面に出し、ただ「今は夫婦としては○○だから、やっていかれない」ということを伝えるのがポイントです。
そういうスタンスでないと、話し合うという穏和な状態を保つことができないのです。喧嘩になってしまっては、できるはずの離婚交渉もできなくなりますので、ここは要注意です。
また、知人に間に入ってもらうことも一つの方法です。夫婦の共通の知人であることが大前提ですが、相手も認めている人を選ぶというのも大切なことです。
いくら共通の知人で、自分は信頼を寄せている人でも、相手が信用していない人では、自分だけに都合のいい人選をしてきたと思われてしまい、譲り合えなくなってしまいます。
どんな場合であっても、相手を頑なにさせてしまったら、離婚交渉はできないと思ってください。
なお、離婚条件には、必ず幅を持たせることも忘れずに。お金のことに限らず、自分にとっての上限と下限を決めておき、その幅の中で交渉するというつもりで臨みましょう。幅を決めておかないと、最終的な離婚条件が決まりにくいのです。